scene 01
introduction
中庭に臨むコーナー窓のあるL型キッチンを原点に、家づくりを考え始めたおうたさん・あかりさんご一家。「この場所に立つたびに、この家が好きになる」という言葉の背景には、長く愛せる空間を丁寧につくりあげてきた、美学と工夫がありました。
中庭から入り込む日差し、風に揺れるカーテン、挽板の床にこぼれるやわらかな木漏れ日――明るくも落ち着いたその空間に溶け込みながら、L型のキッチンが静かな存在感を放っています。
転勤先からの帰任、社宅の期限、娘の小学校入学と、いくつかの節目が重なったとき、おうたさんとあかりさんの家づくりが始まりました。
家づくりの原点となったのが、「中庭に臨むコーナー窓のあるL型キッチン」。「いつかこんな家に住みたい」と、ずっと憧れていたのだそう。
あかりさんのキッチンへの特別なこだわりを知って、ハウスメーカーが提案してくれたのが、GRAFTEKTでした。
「決め手は、デザインと価格のバランス」だったと、あかりさん。「他メーカーでは、L型になると、一気に高価格になることも多い中、GRAFTEKTはレイアウトに関わらずワンプライスで提供してくれる。また、カラーが豊富で、空間のイメージにぴったりのものを選べることも大きな魅力でした」
インテリアコーディネーターとして培った知識と美意識を持つあかりさん。理想のキッチンを実現するため、自ら家のゾーニングプランまで描き、建築士と相談を重ねたと言います。
「大切にしたのは、子育て中の今だけでなく、歳を重ね、子どもたちが巣立った後も、10年、20年先の暮らしまで想像できるということ。そのためには、シンプルで飽きのこないデザインを選びたいという想いがありました。シンプルとは、長く愛せることと同じ意味だと思っています」
余計な装飾がなく、家具のような佇まいで空間になじんでくれるGRAFTEKTのキッチンは、あかりさんにとってまさに理想でした。
選んだカラーはルーナ、扉はオークナチュラルの縦木目。その組み合わせに至るまでも、キッチン単体で見るのではなく、床材や壁、空間全体とのトータルバランスを見ながら決めていきました。
「最初は『ピアノベトン』を選ぶつもりでいたものの、床材と並べたとき、一番しっくりきたのが、今のカラーの組み合わせでした」
トータルバランスへの意識は、カップボードにも表れています。カップボードのワークトップは、キッチンとあえて色を変え、木目を選択。サイズも標準の幅より小さい95cmにコンパクト化し、空間に合わせてよりなじむよう意識しました。
細部へのこだわりはさらに続き、キッチンの窓枠、レンジフード、吊り戸棚、飾り棚は、全て天井から70cmに設定。設置高さを揃えることで、すっきりとした印象に仕上げています。
冷蔵庫や家電類はすべてパントリーへ。この空間を清潔感ある佇まいに保つことに一役買っています
空間全体のカラーを、白、オーク、グレー、シルバーを軸にすることで、空間全体に静かな一貫性が生まれています
パントリーを含めても4畳ほどの、決して広くはないキッチン。それでも足を二歩動かせば、あらゆる収納に手が届く使いやすさが、大きな魅力です。
キッチンは、リビングダイニングとゆるやかにつながりながら、L字型のつくりや床材を変えることで、少しだけ独立した空気を持っています。
「家族と過ごす時間は大好きですが、一人になってぼんやりと肩の力を抜いたり、リフレッシュしたりする時間も大切ですよね」
実はこの家には、あかりさんの「おこもり空間」がいくつかあります。キッチン奥のパントリー、仕事部屋、そして1階のトイレ。どれも小さく、一人で過ごすことの多い場所です。
一方、料理好きのおうたさんは、週末になるとキッチンで音楽をかけながら、ワイン片手に好きなものを作るひとときが至福なのだとか。
カップボードには、ワインとBOSEのスピーカーが置かれたコーナーも
「中庭の縁側に腰掛けて、過ごすこともよくあります。きっと年をとってからも、同じようにここで過ごすんだろうなぁと思いながら、幸せな気持ちに浸っています」
つながりながら、こもれる。空間の余白と、自分を取り戻すための余白。その加減が、この家の心地よさの正体なのかもしれません。
シンプルさを保ちながらも、あかりさんが大切にしたかったのが、飾り棚。少しずつ集めてきた器やグラスを並べ、季節や気分に合わせて入れ替えながら楽しんでいます。
シンプルながら存在感を放つ、日ノ出化学製作所のガラスのポット。器と並んで、キッチンの風景の一部になっています
マイホームに移ったら必ず迎えたいと決めていた、ピーター・アイビーのガラスジャー。コーヒーを淹れるたび、気持ちがときめきます
インテリアのテーマは「ジャパンディ」。北欧らしい色使いや家具に、さりげない和の要素が溶け合っています
家具や雑貨を選ぶとき、あかりさんが大切にするのは、流行やブランドよりも、この先も自分たちが本当に好きでいられるか、ということ。例えば、ダイニングチェアには、栗材を使った国産家具を選びました。
「年月をかけて色が変わっていくのも、また楽しみで。今どこの家にもあるようなものより、自分たちが本当に好きなものを置きたかったんです」
セレクトショップ「NODE」で見つけた岐阜のガラス作家によるブラケットライト。波紋のように広がる影が、シンプルな白壁をそっと彩ります
あかりさんは、憧れるものと、毎日そこにあってほしいもの。その線引きを自分の中に持てたとき、もの選びへの迷いがなくなったと言います。
「SNSで美しい家やインテリアを見て憧れることもありますし、旅館やホテルの空間は、本当に素敵だなと思うのですが、それが私たちの暮らしに合っているかどうかは別だと気がついて。『じゃあ自分たちには、何が合うんだろう、本当に好きなものはなんだろう』と考えることが、とても大事だったと思います」
意外なことに、念願のマイホームが完成した後、あかりさんはしばらく落ち込んでいたのだとか。
「あれだけこだわったキッチンだからこそ、何か一つが気になり始めたら、それ以外のことが見えなくなってしまって。ああすればよかった、こうすればよかったと、マイホームブルーになってしまったんです」
気持ちが戻るきっかけは、SNSに寄せられた言葉でした。
「一番気になっていた、木目の雰囲気をいいと言ってくれる人がいて、なぜ自分がこのキッチンを選んだのかという原点に、ようやく立ち戻ることができました。今は、ここに立ち、窓から見える景色を眺めるたびに、ああ、間違っていなかったんだと思えるように。日に日に、このキッチンが好きになっています」
コーナー窓の向こうには、まだ若いイロハモミジと、切り取られた空。光が差すたびに、その景色はやわらかく表情を変えます。
「キッチンにいながら、季節の移ろいを感じられる場所にしたかったんです」
この木が育っていくのを眺めながら、ふたりはどんな将来を描いているのでしょうか。
「いつか大きくなった子どもたちが、このキッチンに並んで立って、料理を出してくれる日がきたら嬉しいですね」
そう言って、静かに微笑むおうたさん。
子どもたちは、今はようやく作業台に手が届くくらい。それでもよくキッチンに入ってきては、隣に立ちたがると言います。
10年、20年先、この場所でどんな毎日を過ごすだろう。そんなことを想像しながら過ごす、いつもの時間。特別ではないけれど、日々の中で繰り返されるその風景を、これからも変わらず好きでいられること。その大切さを、このキッチンはいつもそっと思い出させてくれます。
profile
おうたさん・あかりさんご夫妻、
娘(7歳)、息子(4歳)
東海地方
planning
クラシスホーム株式会社
kitchen details
GRAFTEKT L型|ルーナ × オークナチュラル
Concept
キッチンと過ごす 日々の風景
「GRAFTEKT scene」
GRAFTEKT(グラフテクト)のキッチンを実際に使う方々の声を通して、日々の使い心地や佇まいを見つめながら、暮らしの中に育つ魅力を丁寧にたどります。
Brand outline
グラフテクト
キッチン・カップボード・取付費を含めた11種のレイアウトがワンプライス。家具のようなキッチンで心地よい空間をご提案します。50年の歴史をもつオーダーキッチンブランド キッチンハウスのセカンドラインです。